ビジネスセミナーVol.58 SIGNAL2019 報告会

8月19日(月)に開催された、TwilioビジネスセミナーVol.58のレポートをお届けします。
 
今回のビジネスセミナーは、8月初旬にサンフランシスコで開催された、Twilioの年次イベント「SIGNAL2019」の報告会です。
セミナーでは、SIGNALに参加したKWCのメンバーだけでなく、エンドユーザーでもある西口様にもご登壇いただきました。
 

 
今年のSIGNALは、8月6〜7日の2日間と、その前日のSuperClassの合計3日間で開催されました。
会場も過去最高の広さを誇る、Moscone Westを貸し切っての開催となり、過去最高の4,000名を超える参加者の中には、我々KWCのメンバーを含む20名以上の日本人も参加し、過去最高の参加者数となりました。

SIGNAL2019 概要 by Twilio事業部ゼネラルマネージャー「青木宏憲」

SIGNAL2019報告会2
SIGNAL2019概要資料はこちら

8月5日:SuperClassの内容

Day1に先駆けて開催されたSuperClassでは、今回新しく発表された「Twilio Quest 3」を使ったチームごとのワークショップの他、Twilioの基本的な使い方をレクチャーするセッションなど、主に開発者向けの内容になっていました。
会場には、US側のDevRel担当者が各テーブルに張り付き、参加者の質問に丁寧に答えていました。

Day1(8月6日)の内容

毎年恒例の「Welcome to Twilio!!」というCEOジェフの掛け声とともに始まったDay1では、基本的な数字の紹介が行われました。
開発者の数は、前回から100万人増加し600万人を超えました。
また、今年から、特にTwilioの開発者として貢献した方々を「Twilio Champions」として認定する仕組みも発表されました。

Championプログラムについては、後半の西口さんのセッションで紹介しています。
 

利用企業社数も16万社を超え、1分間のコール数は32,500通、ピーク時には1秒間に13,000通のSMSをさばくインフラに成長しています。
さらに驚くべきは、Twilioがこの一年間に提供した電話番号はなんと28億個!!
これは世界中のどの通信事業者よりも多い数とのことです。
 
企業としての取り組みとして、2023年には女性の比率を50%にする目標を掲げており、賃金格差もなくすために、2019年では、「女性と男性の賃金比率」「人種による比率」もほぼ均等になったとのことです。
 
そしてお待ちかねの新製品、新サービスの発表です。

新製品①:Twilio CLI

CLIとは、「Command Line Interface」の略。
いわゆる黒い画面でコマンドによる操作を受け付けるためのインターフェースになります。

従来の管理コンソールを使ったGUI操作に比べて、より早く目的を達成できることを証明するため、会場ではCLIを使った場合と、管理コンソールを使った場合(こちらはCEOのジェフが担当)で競争が行われました。
もちろんCLIの勝ちという結果で、とても上手な演出です。

「Twilio Flex」の需要について

Flexは昨年のSIGNALで発表されたTwilioのコンタクトセンターソリューションです。
この一年で多くの事例が生まれたそうで、その中から「CtoCの配車サービスを展開しているlyftのカスタマーリレーションシップ事例」が紹介されました。
lyft社内にはなんと900名以上のエンジニアがおり、彼らがFlexをベースにお客様をより深く理解するための柔軟なカスタマイズを行っているとのことでした。
このように、社内に多くのエンジニアを抱えてシステムを内製するスタイルは、日本とは違い、アメリカの企業では多く見られる姿です。

新製品②:Media Streams

Media Streamsは、通話中の音声ストリームを外部に出力するサービスで、かねてより強い要望があった機能になります。
出力された音声メディアは、GoogleやAWSなどの外部サービスと連携することで、音声認識・感情分析・キーワード抽出など、様々な利用方法に応用されます。

新製品③:Twilio Conversations

CEOのジェフによれば、「2000年代の主役はウェブサイト」「2010年代の主役はアプリ」であったとのこと。
そして、2020年の主役はずばり会話(Conversation)になると予想しています。
従来のような、企業からの一方的なメッセージ送信ではなく、これからは会話を中心にコミュニケーションが発展していくだろうという予測です。

Twilio Conversationは、ユーザがチャネル(SMS、MMS、チャット、WhatsApp)を意識することなく、お互いにメッセージを交換することができるプラットフォームサービス
現時点では上記4つのサービスのみの対応なので、「LINE」や「Facebook Messenger」など、日本でよく利用されているチャネルへの対応が期待されます。

Day2(8月7日)の内容

例年、新製品が多く発表される華やかなDay1に対して、Day2は少し落ち着いた雰囲気で粛々と進行していきます。

まずはTwilioの社会貢献活動を支援する「Twilio.org」

今年もNPO団体を中心に多くの支援をしてきていることが発表されました。

新製品④:Verified by Twilio

USでは現在、ロボコールと呼ばれる自動架電を使った営業電話が多くなってきており、ユーザの75%は発信者がわからない電話に対して応答しないとのこと。
そのため、本当に必要な着信を見逃してしまうリスクが高まっています。
そこで、発信者を着信画面上で確認できるようにするのが「Verified by Twilio」
 
ただし!!
現在は4つのアプリを使った場合のみ利用可能のため、日本での利用はハードルが高い状況です・・・。
 
IoTの事例として紹介されたのがSENSONEOという会社。
SENSONEOは、サンフランシスコ内に設置されたゴミ箱をIoTで管理するサービスを提供しています。
どのゴミ箱にどのくらいゴミが入っているのかを検知し、それを回収するための最適なルートを提案します。
その結果、従来からコストを30%削減し、排出ガスを60%まで抑えることに成功しました。
 
基調講演の最後に、「Hall of DOer」が発表され、今年は4組のデベロッパーが選出されました。

全体を通じての感想として、Twilioを初めて使う人達が多かったこと、従来のデベロッパー志向からビジネス向けのイベントとして変化があったことを挙げていました。

SIGNAL2019 A Brand-new Topics by Twilio事業部エバンジェリスト「高橋克己」

SIGNAL2019報告会
SIGNAL2019 A Brand-new Topics資料はこちら

 

SIGNAL2019報告会3

 
続いてのセッションは、エバンジェリスト高橋による新製品・新サービスのご紹介です。

まずは、全体構成図が上記のように変更されました。

Programmable APIが、Channel APIsに変わり、その上の層に「認証系サービス」、「AI系サービス」、「会話系サービス」の3つに分類されたサービスがグルーピングされています。
最上位には、SendGridを使ったマーケティングキャンペーンが追加され、RUNTIMEにCLIが追加されています。
 
今回発表されたサービスやアナウンスは以下の通りです。

  • Launch of CLI
  • Twilio Conversations
  • Media Streams
  • Email Validation API
  • Twilio SendGrid Ads
  • Verified by Twilio
  • Twilio Quest 3.0
  • Twilio.org impact Fund
  • Autopilot is GA

この内、日本でも利用が可能な「CLI」や「MediaStreams」を中心に、デモを交えながら紹介していきます。

「Twilio CLI」デモンストレーション

Twilio CLIを使うことで、コマンドベースでTwilioのほとんどの操作が可能になります。
CLIのセットアップ方法は、以下のURLを参照してください。
https://www.twilio.com/docs/twilio-cli/quickstart
 

SIGNAL2019報告会4

現在用意されているコマンドは上記画像の通りです。
 
電話をかけたりするには、apiコマンドが中心になりますが、注目すべきはpluginsです。
pluginsとは、Twilio CLIを拡張するためのオプションで、現在以下の3種類が用意されています。
 

  1. @twilio-labs/plugin-serverless
  2. →ローカル開発環境のサポート、デバッグやデプロイを可能にします。
     

  3. @twilio-labs/plugin-watch
  4. →コールやSMSを監視して、1秒毎に画面上に表示します。
     

  5. @twilio-labs/plugin-token
  6. →チャットサービスのトークンの管理ができます。

 
この内、serverlessプラグインはエンジニアの多くが心待ちにしていた機能で、このプラグインを利用することでFunctionsやAssetsなどをコマンドでデプロイすることができます。

セッションでは、watchプラグインを使って、コールイベントがリアルタイムで表示されるところのデモをしました。

「Media Streams」デモンストレーション

リアルタイムに音声ストリームにアクセスすることができるサービスで、WebSocketを使ってサーバーサイドで処理されるところが特長となります。
リアルタイムの音声認識や自然言語解析、感情分析などへの応用が期待されます。

TwiMLのStream動詞やTwilio Studioのウィジェットを使って実装します。
ちなみに料金は$0.004/分となります。

セッションでは、Google Cloud Speech to Textを組み合わせて、リアルタイムの音声認識のデモをしました。
日本語でのリアルタイム音声認識デモは初めてのお披露目でしたが、なんとか無事にお見せすることができました。

SIGNAL2019報告会6

 
MediaStreamsでは、双方向の音声をそれぞれ抜き出すことができます。
例えばコールセンターなどでは、お客様の声だけでなく、オペレータの声も音声認識することが可能です。

「Twilio Quest」デモンストレーション

今回から、ブラウザではなくネイティブなアプリとして提供されるようになった「Twilio Quest」。

以下のURLからダウンロードが可能です。
https://www.twilio.com/quest/download
 
RPG風にミッションをクリアしていくことで、Twilioに関する知識を習得できるようになっています。
ミッションには、Twilioだけでなく、JavaScriptなども用意されているため、色々な技術が習得できます。
日本アカウントでも利用できますが、UIは英語になります。

Twilio Quest

SIGNAL2019 参加報告 by レバレジーズ株式会社 西口瑛一様

SIGNAL2019報告会5
SIGNAL2019 参加報告資料はこちら

西口さんは、レバレジーズでTwilioを使ったコールセンターを立ち上げ、現在数百席規模での運用を行っています。
Twilio Championであり、世界唯一(本人談)のTwilio Clientのコントリビューターでもあります。
 
今回、SIGNALイベントに参加した動機は、なんといってもTwilio Championsに選出されたからだそうです(ちなみにChampionになると、イベント参加費が無料になります)。
今回、Championに選ばれたのは世界で128名、そのうち日本人は5名。
Day1の基調講演で、Twilioの開発者全体が600万人と発表がありましたが、この数はおおよそ千葉県の人口と同じそうです。
すなわち千葉県内でたった5人と考えると、かなりレアな存在とのことでした。
 
今回、西口さんを含む日本人3名は、SIGNALイベントに先立って行われたChampions Summit(8月4日開催)にも参加し、Twilio社員を交えたランチやゲームなどを通じて交流を深められたとのこと。
今回のセミナーでもそこで配布されたChampionパーカーを着ての登壇でした。
 
セッションでは、SIGNALで発表された新機能をレバレジーズさんで利用するとすればどういう使い方になるのかといった、ユーザ視点での機能紹介が印象的でした。

例えば、Conversations APIを使って「会社・営業・求職者」の三者でテキスト交換をしたり、Verified by Twilioを使ったらこのようなイメージの着信画面になるなどの具体的なアイデアが披露されました。
中でも注目しているのは、Twilio CLIだそうです。さすがエンジニアですね。

エンジニアは、GUI(Graphical User Interface)よりCUI(Character User Interface)を好む傾向にあり、現に西口さんも随分と前からCLIについては独自にウォッチしていたそうです。

今回は、CLIを使って電話を架けるデモを通じて、Twilio CLIがいかに簡単に扱えるのかを披露していただきました。
Twilio CLIはセキュリティ的にも優位であることや、今までGUIでやっていたことをバッチで実行できるなど、実に特長を捉えたご紹介でした。
 
最後に、SIGNALイベントに参加する意義として、現地の雰囲気を直接感じることが重要であるとお話されていました。
例えば、日本の社内ではTwilioについて会話することが少ないのですが、現場に行くと周りの人たちがみんなTwilioで話ができるため、とても楽しかったとのこと。

「是非、来年は皆さんも一緒に行きましょう!!」
という動機づけでセッションを締めていただきました。

ビジネスセミナーVol.58 SIGNAL2019 報告会のまとめ

今回のビジネスセミナーは、SIGNALイベントの開催日程の関係で、お盆明けの月曜日に開催しましたが、お陰様で非常に多くのお客様にご来場いただきました。

少しでも現場の雰囲気をご紹介できたなら嬉しいです。最後の西口さんのお話にもありましたが、来年はさらに多くの日本人がイベントに参加できるようになれば良いなと心から願っています。

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