クラウドコンタクトセンターをスモールスタートするべき理由と仕様例

こんにちは。レバレジーズ株式会社の西口です。
前回はクラウドコンタクトセンターの優位性について書かせていただきました。今回の記事では、クラウドコンタクトセンター導入の肝となるスモールスタートから始めた理由と仕様についてお伝えしていければと思います。
 
前回の記事はこちらをご参照ください。
コンタクトセンターにおける、オンプレミスとクラウドの比較と優位性について
 
現在、Twilioを用いたコンタクトセンターではかなり大規模になっている弊社(レバレジーズ株式会社)でも、最初は10人ほどのチームにスモールスタート版を試してもらうところからはじめました。
現場に導入した当初は、電話機であれば当然の機能が漏れていたり、使い方の説明が難しく、受け入れてもらうまでには時間がかかりました。
導入の際のフィードバックをもとに、改修を行っていくことで一般的な電話と同じように音質や回線の不具合もなく通話することができ、電話機を使わないメリットを理解してもらうことができました。
スモールスタートから始めたことでコンタクトセンターのリプレースをスムーズに進められることができ、社内の信頼を得ることができました。
 

スモールスタートで開始した理由

Twilioや、Twilioが通話するために使用するWebRTCは安定した技術ですが、ユーザーが使用するPCや物理的なネットワーク、通話相手の状態や通信キャリアなど、様々な要素に影響を受けます。スモールスタートから始めることで、確認に時間を掛けながら、小さく失敗しすばやく改善していくことができます。
実際コンタクトセンターを運用していてよく発生するのが、有線LANに接続していても、Windowsだと無線Wifiで通信することがあり、通話が不安定になると言われることがあります。
このような運用上の問題は実際に導入してみないとわからないことなので、スモールスタートから始めることで知見を得ることができ知識を蓄えることができます。
 

スモールスタートで開始する前に確認しておくこと

スモールスタートで開始する場合の仕様説明の前に確認しておくべきことを明記しておきたいと思います。
 

クラウドコンタクトセンターの要件の確認

クラウドコンタクトセンターを構築する際には様々な要件があると思います。
クラウドコンタクトセンターに必要な要件を明文化し、Twilioで何ができて何ができないのかを調査することで、作業着手前に不明点も分かり早めに解決策を探す時間ができます。
調査の際に出た不明点はKDDIウェブコミュニケーションズが開催しているTwilio相談会で相談したり、Teratailに質問することができますし、Teratailでは、Twilioタグが付いている質問はTwilioユーザが回答してくれます。
 
Twilio相談会:https://twilio.kddi-web.com/consultation/
Teratail:https://teratail.com/tags/Twilio
 

技術的難易度を確認

Web開発の経験があれば、ある程度理解することはできると思うのですが、リアルタイムで動き続けるTwilioならではの癖やデバッグのコツを掴む必要があります。コツを掴めばデバッグの際に気をつけることなどが見えてきます。また、選定したフレームワークとTwilioの相性の確認もしたほうがよいでしょう。
 

PCやネットワークなど物理デバイスが使用に耐えうるかを確認

クラウドコンタクトセンターを構築するにあたって、必要な機器やネットワークが使用に耐えられるか確認をします。ネットワークの確認にはテスト用のサイトが提供されています。
 
WebRTCの利用可否テストサイト:https://test.webrtc.org/
Twilioの利用可否テストサイト:https://networktest.twilio.com/
 
TwilioやWebRTCは物理デバイスの影響を受けます。推奨スペックをご覧ください。ただし、推奨スペックを満たしていても、PCで動かしている他のソフトウェアやネットワークの使用状況によって、通話が不安定になったり、音質が悪くなる可能性もありますので早い段階で解決しておきたいところです。
 

スモールスタートの仕様例

上記の確認事項をふまえて実際に開発するにあたっての具体的な仕様例をみていきます。
 

通常の電話機と同等の仕様にする

スモールスタートするために、まずは通常の電話機と同等の仕様を持たせるようにします。

  • 架電
  • 受電
  • 保留
  • 保留解除
  • 転送
  • DTMF

DTMFトーンとは宅配便の再配達などで、電話番号や再配達希望日を入力する際にダイアルボタンを押すときの機能のことです。上記の6つの機能のなかでは、保留・転送の実装が最難関です。保留と転送の実装はTwilioを語る上では外せない難易度の高い機能になります。保留・転送の実装は次回の記事でサンプルコードを書きたいと思います。
 

受電の仕様は一番単純にする

一般的なビジネスフォンは「ACD」という機能があり、受電対応ができる状態かつ、問い合わせに対応できるスキルを持ったオペレーターに優先的に電話を回すというものです。Twilioでは「TaskRouter」という機能で実装することができますが、いきなり実装し始めるのは難しいので受電を担当させる人を何名か決めてしまいます。受電の担当を決めることで仕様も実装もとても簡単になります。
 

スモールスタートで開始した場合は、少ない人数で密に連絡が取りやすいチームを選別する

スモールスタートで開始した場合は、一般的なビジネスフォンより機能が少ないので、普通のビジネスフォンが良いと評価される可能性があります。「なぜTwilioを採用したのか?」「将来的にはどう会社に貢献することができるのか?」といった将来のビジョンを対面で話せるチームを作っておくと協力を得られやすいかと思います。また、仕様としては簡単でもバグは発生しますし、作るのは難しいので何か問題が起きたときの代替手段を用意しつつ、問題発生時のフィードバックを受けやすい体制を組んでおくことをおすすめします。
 

スモールスタート版導入時の評価点

  • 音質や通話が途切れることが発生しないか
  • 使用しているPCやネットワークのスペックが使用に耐えうるか
  • ネットワークに負荷がかかり、他の業務に支障をきたすことがないか

これらがクリアできれば、CRM連携なども含めた、クラウドコンタクトセンターへのリプレースの提案がしやすくなります。
 

まとめ

今回の記事では、クラウドコンタクトセンター導入の肝となるスモールスタートから始めた理由と仕様について触れました。
次回はスモールスタートするにあたり、必要な備品をすべて洗い出します。備品とはいえども今まで電話でやっていたことをPCに移行するにあたっては、選定が難しく失敗してしまうと買い直し等が発生し、費用面での負担が大きくなります。
次回は備品の洗い出しのノウハウを書いていきたいと思います。お楽しみに。
 

レバレジーズ株式会社
介護士向け転職サイト『きらケア』や看護師向け転職サイト『看護のお仕事』を展開するレバレジーズ。これらのメディアは、業界トップクラスのシェアがあり、お客様と営業とをつなぐために約500席ある大規模なコンタクトセンターを構築しています。
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