LINE to Callを使ってCXを向上させよう

「LINE to Call」の位置付け

LINE株式会社は、日本国内で7,900万人(2018年12月時点)が利用している「LINE」の基盤を用いた、企業とユーザーの距離を近づけるしくみとして、「 LINE Account Connect 」というサービスを提供しています。具体的には、「LINE公式アカウント」というサービスを通じて、企業が自社のLINE公式アカウントを開設することで、ユーザーとダイレクトにコミュニケーションを取り合うことが可能になります。

LINE公式アカウントには、様々なオプションが用意されており、その中の一つに「LINE Call API」があります。LINE Call APIにはさらに、企業側の電話自動応答システム(IVR)から、電話番号を元にLINEのメッセージを送信することができる「Call to LINE」と、公衆回線網を使わないIP電話経由で、ユーザーと企業の間で音声通話が可能になる「LINE to Call」の2種類が含まれます。

 

どちらも「電話」という従来のコミュニケーション手段を、LINEとシームレスに結びつけるしくみであり、使い方次第で企業のカスタマーエンゲージメントを高める効果があります。

 

ここでは、LINE Call APIのうち、「LINE to Call」にフォーカスして、そのメリットや実現方法について説明していきましょう。

 

「LINE to Call」のメリット

LINE to Callの利用イメージは非常にシンプルです。
LINEアプリの電話機能を使って、LINEアプリから直接企業のコンタクトセンターなどに電話がかけられます。

 

 

電話をかけるためには、LINE公式アカウント上に表示されるリンクやボタンをクリックするほかに、QRコードを読み取って電話をかけることもできます。

ユーザーにとっての最大のメリットは、普段から馴染みのある0120のようなトールフリー(通話料がかからない)通話ができることです。トールフリーを採用している企業によっては、携帯電話やIP電話からの着信を拒否していたりするところもありますが、LINE to Callであれば、LINEアプリが入っているスマートフォンであればどこからでも電話がかけられます。また、番号を入力する必要もないので、かけ間違いもありません。

一方、企業側のメリットとしては、従来の電話窓口に新しくLINE電話のチャネルを追加できることがあげられます。すでにLINEのチャット機能を使ったサポート問い合わせなどを行っている場合であれば、チャットでは伝わりにくい内容などを電話を使って説明することもできます。また、トールフリーへの発信ができない海外渡航中のユーザーから電話を受けたりすることができます。LINE to Callは、従来のトールフリーのように、通信事業者との契約も要りません。また、着信の仕組みによっては、従来のトールフリーの着信料よりも安く着信できる点もメリットとして上げられます。

 

ユーザー側のメリット

  • 発信料がかからない
  • かけ間違いがない
  • 世界中どこからでもかけられる

企業側のメリット

  • 従来の電話の環境に対してシームレスにLINE電話が追加できる
  • チャットから電話にスイッチさせることができる
  • 従来のトールフリーの代替としてコストダウンを実現できる

 

「LINE to Call」がもたらすCXとは

昨今、ユーザーの満足度をいかに高めるかという視点で、CX( Customer eXperience )という言葉が注目されています。コンタクトセンターにおけるCXでは、回答の質はもちろんのこと、いかに早く答えを得られるか、こちらのシチュエーションに応じていかに最適な方法で答えが得られるかなど、いろいろな視点で語られます。
たとえば、通話がしにくい移動中などではチャットのサポートの方が便利ですし、逆に込み入った質問では電話の方が早く回答を得られるかもしれません。

 

では実際、LINE to CallによってCXはどのように変化するのでしょう。

 

まずは、普段使っているLINEアプリをそのまま利用できることで、チャットと電話を臨機応変に切り替えながらコミュニケーションがとれます。これはすなわち、ユーザーが希望するチャネルをユーザーの判断によって使い分けることが簡単になるということです。

電話を使うかチャットを使うかは、ユーザーの年齢層によって大きく異なります。年齢層が高くなるにつれ、チャットによるサポートより電話を好む傾向が強くなります。

 

ここで疑問が生まれるかもしれません。それはLINEを利用している方の年齢層は若い方が中心なので、LINE to Callの需要はそれほど多くはないのではということです。

 

次のグラフを見てください。

 

 

これによれば、LINEのユーザーのうち40代以上がおよそ半数を占めていることがわかります。

一般的に年齢層が高くなるほど、普段使うツールを切り替えることを嫌う傾向にあるため、今後もLINEのユーザーの高年齢比率は変わらない、もしくは増えるのではと思われます。

LINEアプリは、チャットを好む若年層だけでなく、電話を好む高齢層にも対応ができ、かつすでに国内で7,900万人(2018年12月時点)が利用しているという圧倒的なカバレージを持っていることから、コンタクトセンターにとって顧客との主要なタッチポイントになることでしょう。

 

「LINE to Call」を実現するには

今まで説明してきたLINE to Callですが、実際に企業が導入するにはどうすればよいでしょうか。

従来、LINE to Callを導入するためには、企業はLINE社と「カスタマーコネクト」と呼ばれるアカウント契約が必要でした。2018年末から順次実施されているアカウントの一元化により、カスタマーコネクトを始めとする各種法人向けアカウントは、すべて「LINE公式アカウント」に統合されることになりました。そして、LINE Call APIも、LINE公式アカウントのオプションとして提供されるようになります。

LINE Call APIオプションは現在、LINE社のセールスパートナー経由での販売のみとなります。

セールスパートナーの一覧は以下のURLにて確認できます。

https://www.linebiz.com/jp/partner/line-account-connect/

 

また、LINE to Callを導入するためには、LINE to Callに対応したテクノロジーパートナーの製品とそれに併せた実装が必要になります。

一般的に、LINE to Callを実装したい企業側には機器の設置が必要となりますが、Twilioを利用する場合は、LINE to Callのための機器の設置は不要です。

 

Twilioを使ってLINE to Callを実装する手順は以下の通りです。

  1. Twilioのアカウントを作成する。
  2. SIPインターフェース機能の中で、ユニークなSIPドメインを生成する。
  3. LINE公式アカウントを開設し、LINEセールスパートナー様にLINE Call APIのオプション申し込みを行う(要SIPドメイン)。
  4. 設定完了通知が届いたら、Twilio側で着信設定(どこに転送するか)を行う。
  5. LINE社から払い出された接続URLを使って、LINE公式アカウントにボタンを付与したり、QRコードを生成する。

 

Twilioからの転送先については、既存のPBXに一般公衆回線経由で転送することや、SIPベースで転送することも可能ですし、Twilio上でVoIP基盤を構築すれば、ブラウザで着信することもできます。

 

なお、Twilioからの転送料については以下の通りとなります。

  • 一般公衆回線経由の固定電話宛は5.4円/分、携帯電話宛は16.2円/分
  • VoIP経由のブラウザへの転送は、0.25円/分
  • SIP経由のPBXへの転送は、0.5円/分

※上記に加えて、LINEからTwilioへの着信料(0.5円/分)と、LINE to Callの通話料が必要です。LINE to Callの通話料についてはLINEセールスパートナーにお問い合わせください。

 

まとめ

  • LINE to Callは、LINEアプリの電話機能をつかって、直接企業側に通話が可能なサービスです。
  • ユーザー側には電話代がかからず、企業側も従来のトールフリー番号をつかった運用よりも安価に実装することが可能です。
  • LINE to Callは、LINE公式アカウントのLINE Call APIオプションです。
  • Twilioを使うことで、LINE to Callのための専用の機器の設置は不要です。

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