Twilio Studioを使ってノンコーディングで自動応答システムを構築する

本日よりスタートしたドラマキャンペーンに、エンジニアでなくても自動応答システムを開発できる「Twilio Studio」が採用されました。(プレスリリースはこちら
本記事では、今回のキャンペーンシステムをTwilio Studio上で再現しながらシステムの構築手順とTwilio Studioの使い方についてご紹介します。Twilioはメールアドレスとパスワードがあれば誰でも簡単に無料トライアルを開始することができるので、今回のキャンペーンシステムが本当にコーディングなしで構築できるかどうか、ぜひ体験してみてください。


はじめに

Twilio Studioとは
自動応答システムを構築するためのツール。「音声を再生する」「電話を転送する」といった動作があらかじめパーツとして用意されており、それらを組み合わせていくことでシステムフローが完成します。ドラッグ&ドロップで必要なパーツを編集画面上に並べ、線で結んでいくだけなので、プログラミング知識がない人でも自動応答システムを構築することが可能。現在はβ版での提供となっています。
キャンペーンの内容
今回のキャンペーンは、ドラマのメインビジュアルに使われている名刺に電話すると、主人公と会話できるというものです。主人公からの質問に対し、キャンペーン参加者が「はい」「いいえ」など声で答えると、その音声を認識して、内容に沿った音声を再生します。音声認識を採用することによって、より自然に会話しているように感じることができます。


自動応答システム構築手順

それではさっそく、ノンコーディングで自動応答システムを構築していきましょう。音声内容は異なりますが、キャンペーンと同じ流れを構築していきます。完成イメージは図の通りです。
studio_tbs_image.png
用意するもの
- PC
- 再生音声(mp3)3種類
   質問音声
   ユーザーが「はい」と答えたときの音声
   ユーザーが「いいえ」と答えたときの音声
作業手順
1. Twilioアカウントを取得する
2. 音声をアップロードする
3. Twilio Studioのセットアップ
4. 音声を再生させる
5. 返事によってフローを分岐させる
6. 電話番号を設定する


1. Twilioアカウントを取得する

https://twilio.kddi-web.com/ の画面右上にある[サインアップ]から名前、メールアドレスとパスワードを設定して無料のトライアルアカウントを作成しましょう。詳しい手順はこちらの動画でも解説していますので、ぜひご参照ください。


2. 音声をアップロードする

・まず初めに、再生したい音声をTwilioにアップロードしましょう。音声ファイルはmp3形式で用意し、あらかじめわかりやすいファイル名に変更しておいてください。
・画面左側にある、サークルの中に点が3つ並んでいるアイコンをクリックしてメニューを開き、[Runtime]を開きます。
studio_tbs_1.png
・ページが開いたら[Assets]を選択して、[Add an Assets]と書かれた赤いアイコンをクリックします。フォルダが開くので、再生したい音声を選択し、アップロードしてください。
2.png
・チェックボックスにチェックは入れず、[Upload]をクリックします。
3.png
・アップロードが完了すると、自動でURLが生成されます。
4.png
・質問音声、「はい」と返答した場合の音声、「いいえ」と返答した場合の音声、それぞれのURLを生成して、メモ帳などに控えておきましょう。


3. Twilio Studioを開いてフローを作成する

・いよいよTwilio Studio上にフローを構築していきます。ホーム画面の左側にある、サークルの中に点が3つ並んでいるアイコンをクリックしてメニューを開き、[Studio]を選択してください。
studio_tbs_2.png
・[Create a flow]と書かれた赤いアイコンをクリックして、フローを作成しましょう。
6.png
・タイトルをつけたら、[Next]をクリックします。
7.png
・[Start from scratch]を選択してください。[Next]を押せばセットアップ完了です。
8.png
・こちらが編集画面です。右側の[WIDGET LIBERARY]に並ぶアイコンは、自動応答システムを構築するのに必要な要素を視覚化したもので、「Widget」と呼ばれます。これらを空白のエリア(キャンパス)に並べ、線でつないでいくだけでフローの完成です。
9.png
・今回使用するWidgetは以下の通りです。

Widget 名前 役割
Trigger.png Trigger フローの開始となるWidgetです。
着信以外にも、メッセージ受信などをフロー開始のきっかけにすることができます。
GatherInputOnCall.png Gather Input On Call 音声を再生しながら、エンドユーザー側の返答を認識します。
SplitBasedOn.png Split Based On... フローを分岐させます。
studio_tbs_say_play3.png Say/ Play 音声を再生します。


4. 音声を再生させる

・WIGDET LIBRARYにある[Gather Input on Call]をドラッグ&ドロップで[Trigger]の下に配置します。
10.png
・キャンパス上に配置した[Gather Input On Call]をクリックして選択し、以下のように詳細を設定していきましょう。
・[SAY OR PLAY MESSAGE]は[Play a Message]を、[SPEECH RECOGNITION LANGUAGE]は[Japanese]選択します。
・[URL OR AUDIO FILE]には、手順2で生成した質問音声のURLを貼り付けます。
・[WIDGET NAME]は自分のわかりやすい名前に変更できますが、英語を使用してください。
・設定し終わったら、[Save]を押して保存してください。
11.png
・保存できたら、[Gather Input on Call]と[Trigger]を繋げます。今回は着信をフロー開始のきっかけとするので、[Incoming Call]の赤い線と[Gather Input on Call]を結んでください。
studio_tbs_12.png
・これで、「着信したら、指定した音声を再生する」というフローができあがりました。


5. 返事によってフローを分岐させる

・ここでは、エンドユーザーの音声を認識し、それによって①「はい」と言った場合、②「いいえ」と言った場合、③返答が正しく認識されなかった場合、の3パターンにフローを分岐させる方法をご紹介します。
・WIDGET LIBERARYから[Split Based On ...]を選んで、フローの一番下に配置します。
13.png
・キャンパス上においた[Split Based On ...]をクリックして選択して詳細を設定していきます。
・[VARIABLE TO TEST]は[SpeechResult]を選びます。
・手順4で編集していた[Gather Input on Call]の[User Said Something]とつなげておきます。
14.png
・次に、「はい」と答えたときに再生する音声を設定します。WIDGET LIBERARYから[Say/Play]を選んでフローの一番下に配置してください。
15.png
・配置したら、もう一度クリックして再生内容を設定していきます。手順3で音声を設定したときと同じように、[Play a Message]を選択して、「はい」と応答されたときに再生する音声のURLを貼り付け、保存してください。WIDGET NAMEはわかりやすいように「play_yes」としておきます。
16.png
・この作業を繰り返し、今度は「いいえ」と答えたときに再生する音声を設定してください。
17.png
・分岐点を作っていきましょう。先ほど配置した[Split Based On ...]の右下にある[New]から[Condition Matches]を選択すると、分岐点が追加されます。
18.png
・追加された[Condition Matches]を選択すると、詳細を設定できるようになります。ここで、音声認識させたいキーワードを入れましょう。まずは[Regex]を選択してください。
・その下のブランクには、「.*(はい|読みました|もちろん).*」(半角ピリオド、半角アスタリスクで()を挟み、キーワードは | で区切る)と入力します。
・入力できたら赤字の[Set Condition]をクリックして保存します。
・[Save]を押して設定を保存します。
19.png
・これで、ユーザーが「はい」と言った場合の分岐点ができました。同じ手順を繰り返して、「いいえ」のパターンも設定してください。
20.png
・設定できたら、[Save]を押して設定を完了させましょう。
・[Split Based On ...]と[Say/Play]のyes、noを対応させる形で繋げます。
21.png
・最後に、[No Condition Matches]を[Gather Input On Call]につなげておけば、返答が「はい」にも「いいえ」にも当てはまらないとき、もう一度質問を繰り返して再生することができます。
22.png
・これで、「着信したら、指定した音声を再生し、エンドユーザーの返答によってさらに音声を再生する」というすべてのフローの完成です。
23.png
・完成したら公開しましょう。フロー上部の[Publish]ボタンを押します。
24.png
・[Publish Flow?]のメッセージが表示されるので、再度[Publish]を押してください。


6. 電話番号を設定する

・フローができあがったので、あとは電話番号を取得、設定するだけで完成です。ホーム画面左側にある、サークルのなかに点が3つ並んでいるアイコンをクリックしてメニューを開き、[Phone Numbers]を選択します。
studio_tbs_3.png
・[番号を購入]を開き、[COUNTRY]に日本を選択して検索ボタンを押します。購入、とありますが、トライアルアカウントは無料で電話番号を取得することができるので、料金を請求される心配はありません。
26.png
・検索結果一覧の中から、TYPEの欄がローカルになっている108円の電話番号を1つ選んで、[購入]に進みましょう。
27.png
・[この番号を購入しますか?]という確認メッセージが表示されるので、[この番号を購入する]を押してください。
28.png
・[Congratulation]のメッセージが表示され、購入が完了したら[番号を設定する]を選択します。
29.png
・購入した番号を作成したフローに設定します。[通話着信時]を[Studio Flow]に設定し、フローを選択してください。
30.png
・[保存]を押したら、キャンペーンに使われたものと同じシステムが完成です!さっそく電話をかけてみましょう。


まとめ

今回はドラマキャンペーンと同じフローを構築してみましたが、音声認識を電話のキーパッド操作にしたり、録音音声を合成音声にしたり、という変更も簡単にできます。また、電話以外にも、SMSを使ったサイト誘導システムや音声通知システム、LINEチャットボットなど、アイデア次第でさまざまなシステムを構築可能です。Twilio Studioなら、今まで外注していたものを短時間で構築できるためコスト削減につながりますし、面倒なサーバーの設定なども必要ありません。
もっとTwilio Studioについて知りたい、という方は、7月26日(木)に行われるTwilio Studioのワークショップにぜひお越しください。当日は講師の指導のもと、ノンコーディング開発を体験いただけます。
イベントの詳細はこちら:https://twiliomeetup.doorkeeper.jp/events/76226
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